水稲生産の低コスト・省力化を目指し 高密度播種苗移植栽培拡大へ

 JAにしみのは水稲生産コストの削減や苗移植作業労力の低減に有効な高密度播種苗移植栽培の面積拡大に向け、今年度より専用苗の販売を開始しました。また、高密度播種苗と育苗日数を短縮した若苗を組み合わせた苗の移植栽培試験も行い、さらなる低コスト・省力化栽培を目指します。
 高密度播種苗移植栽培は、育苗箱1箱あたりに播種する種籾を通常より約1.5倍増加させた苗を使用するため、育苗箱の使用枚数と苗補給回数を減らすことができ、コスト削減による農家の所得増大が期待できる技術です。同JAでは平成28年から実証試験を重ね、高密度播種苗の生育具合や箱施薬剤の効果などに問題がないことを確認し、農家への普及を進めてきました。近年は高密度播種苗移植栽培に取り組む農家数も増加しており、生産者からのJAによる苗販売の要望を受けて令和5年度は多収性品種「ほしじるし」約1800枚を育苗センターにて生産しました。さらに一部の高密度播種苗は、育苗期間を短縮した苗を移植栽培し、生育状況を調査します。若苗移植栽培試験を通じ、移植適期の拡大の検討、育苗コストの削減、育苗施設の運営の効率化などを目指します。
 海津営農経済センターの担当者は「技術の導入によるコスト削減効果を明確にし、農業者の所得増大のため普及拡大に努めていきたい」と話しました。
短期苗の苗質を確認する生産者とJAの担当者(左)
短期苗の苗質を確認する生産者とJAの担当者(左)

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